歌手の体調管理といえば、真っ先に思い浮かぶのが喉のケアではないでしょうか。一流の歌手の場合、ほんのわずかな喉の不調でもその歌声に変化が生じてくるといいます。
したがって歌手における喉のケアで重要となるのが、普段からの予防です。何か異変があってから対応するのではなく、異変が起こりにくい環境を常に作るよう努めましょう。では具体的にどのような喉のケア（予防）方法があるのでしょうか。
まずはじめは、加湿器や空気清浄機の使用です。喉にとって一番の大敵は乾燥することだといいます。したがって常に加湿器を稼働させて、自分がいる室内の湿度を保つことが重要です。また、エアコンを長時間使用すると室内が乾燥しがちになるため、時間を決めて使用するクセをつけましょう。また、喉を痛める原因のひとつに花粉やハウスダストといったものがあります。空気清浄機でこれらの物質を排除することも大切でしょう。
次に行う喉のケアですが、喉は乾燥と同時に冷えも避けなければいけません。冬の寒い時期に出掛けるときや、温度が低い部屋にいなければならない時は、喉元にマフラーやストールを巻くなどして、喉を保護する対策をとるとよいでしょう。
その他にも喉によいとされているハチミツや飴を舐めたり、水を小まめに飲んだりすることで、喉のケアと同時に不調にならないための予防もできます。

いくら喉のケアだけを熱心に行っていたとしても、風邪をひきやすかったり、疲れが溜まりやすい体だったりすると意味がありません。とくに風邪を引いて激しく咳こむと結果的に喉を傷めてしまいます。
したがって歌手の体調管理においては、日頃から風邪を引きにくくする健康的な身体作りをすることも意識したほうがよいです。
だからといって、プロスポーツ選手のように特別なトレーニングをする必要はありません。すぐにできるウォーキングやストレッチなどを定期的に行い、基礎体力を向上させることが、健康的な体へとつながっていくはずです。
また、不規則な生活が当たり前になっている場合は、それを改めるのも体調管理のひとつです。なかでも睡眠は重要で、しっかりと体を休められないとどんどん疲労が溜まってしまい、やがて喉にも影響が出てきてしまいます。昨日の疲れを翌日に持ち越さないように、睡眠時間を充分に確保するようにしましょう。

喉のケアだけでなく、歌手にとって耳も大事な器官です。ニュースなどで耳にしたことがあるという人も多いかもしれませんが、歌手がよく罹る病気のひとつに、突発性難聴という病気があります。その名の通り、ある日突然耳が聴こえにくくなったり、場合によっては全く音が聞こえなくなってしまったりするという病気です。
残念ながら、この病気にかかる原因は未だはっきりとは特定されていません。一説によると、日頃から大きな音を聴き続けていることが原因かもといわれていますが、断定までには至っていません。
歌手にとって耳というのはとても大切な器官です。したがって、いつもより耳が聴こえにくくなったと感じた場合には、すぐに専門の病院を訪ねるようにしましょう。

特別に何かをすることだけが体調管理ではありません。日頃の自分の行動を見直して改めるのも大切なこと。簡単そうに思えても自分の行動を変えるのはなかなか難しいものです。この項目では、そんな日常生活を送る上での注意点について紹介していきます。
まずは飲酒や喫煙についてです。これらに関しては直接的に喉を痛める原因となるので、できるだけ控えることをおすすめします。とくに喫煙は喉を痛めるだけではなく、声を出すために欠かせない肺活量の減少にもつながる危険性があるので避けた方がよいでしょう。
次に、カフェインの入った飲み物もあまり摂取しない方が望ましいです。というのもカフェインには利尿作用があり、体内の水分を排出してしまうため、結果的に喉が乾燥してしまうからです。したがって体内の水分をほどよく保つためには、ミネラルウォーターなどを飲むのが得策です。
最後に、喉を休める時間を意識して確保することも大切です。長時間に渡って声を出し続けていると、声帯が疲労してしまい、回復するのにも時間が掛ってしまいます。したがって、一日の内で声を出さない時間を作って、声帯をしっかり休めることが大切になってきます。