芸能事務所に所属する
俳優になるための最もメジャーな方法は、芸能事務所に所属することです。なぜなら、ドラマや映画など映像系の俳優の仕事は基本的に芸能事務所にオファーが来るからです。深夜ドラマやネットドラマ、自主制作などと違い、ドラマや全国公開の映画など規模が大きい作品のキャストは一般公募で募集することはほとんどありません。例えば、ゴールデンタイムのドラマの主演は、視聴率を左右する重要な役割を果たすため、制作段階で既に決定されています。また、主演を取り巻くサブキャストも同様に、知名度のある俳優が選ばれます。
ただし、深夜ドラマの主演やゴールデンのドラマのサブキャストには、新人の俳優が起用されることもあります。これは、制作側と芸能事務所の関係性によるもので、例えば、主演に有名な俳優を起用すると同時に、その俳優と同じ事務所の売り出し中の新人俳優をサブキャストとして起用する、という形のバーターが行われます。
また、深夜ドラマなどのそれほどまだ大きくない枠では、新人俳優を主演に起用し、その知名度を上げていくというテレビ局と芸能事務所の共同プロモーションが行われることもあります。これらの事情から大きな作品に出演したい場合は、基本的に芸能事務所に所属するしかありません。制作側とのパイプが太い大手の芸能事務所を目指すことが望ましいです。ただし、大手の芸能事務所への所属は簡単ではないため、所属者を積極的に募集しているタイミングを見計らうことが重要です。
オーディションを受ける
もう一つの方法として、コンテストやオーディションに参加することです。男性であれば「ジュノンボーイコンテスト」、女性なら「ホリプロスカウトキャラバン」などが知られています。また、「メンズノンノ」の専属モデルオーディションや「ニコラ」モデルオーディション、さらにはアイドル募集のオーディションなど様々なオーディションが開催されています。
これらのオーディションは直接的には俳優を募集しているわけではありませんが、妻夫木聡さんや新垣結衣さんのように、モデルからスタートし、その後俳優として成功するケースは少なくありません。日本の芸能界では、知名度があればお笑い芸人であってもドラマに出演するなど、ジャンルの境界があいまいな部分があります。そのため、こうしたコンテストで名を知られることが、俳優としての活動の足がかりとなることがあるのです。
劇団に所属する
3つ目は劇団に所属する方法です。これは、特に舞台での活動に興味がある方に向けた方法です。ドラマや映画での活動を主に考えている方は、前述したように、芸能事務所への所属を検討すると良いでしょう。しかし、吉田鋼太郎さんのように、主に舞台で活動していた俳優がドラマに出演するケースもあるため、舞台にも興味がある方は劇団への所属を選択肢に加えてみても良いかもしれません。
ただし、舞台は本番と稽古を合わせると約1ヶ月半かかることが多く、その間はアルバイトなどができないため、経済的な負担が大きくなることを覚悟する必要があります。
養成所に入る
最後は、養成所に入るという方法です。これは、まず演技の基礎を学びたいという方に向けたものです。養成所に入るだけで俳優としての仕事が得られるわけではありませんが、俳優には高い演技力が求められます。そのため、演技経験が全くない方は、養成所で演技スキルを磨くことを検討すると良いでしょう。
演技経験がないとオーディションや現場でも自信に欠け、緊張から最高のパフォーマンスを発揮できないことがあります。そのため、まずは演技力を身につけ、どんな状況でも自信を持ってパフォーマンスできるようにすることが重要だと言えます。