まずはじめに、現在声優として活躍している方の多くが通っていたという声優の専門学校について紹介をしていきましょう。
声優の専門学校は、さまざまな職業の専門学校と同様に、全日制です。現在日本各地におよそ30校ほどあると言われており、そのほとんどが2年制です。
高校を卒業したばかりという若い方の場合、専門学校に入ることで、声優という職業に関する知識やスキルを基礎から学んでいくことができます。
また専門学校によっては、学生寮が完備されているところもあり、生活面でのサポートもあるため学業に集中できる環境が整っているようです。
学校内でさまざまなオーディションが催されているのも特徴で、同じ夢を持つ仲間と切磋琢磨していくことができます。
卒業後に関しても、声優デビューするための事務所を紹介してもえるチャンスも多く、コネクションを築きやすいというのも専門学校を選ぶメリットのひとつです。

上述した専門学校と似たタイプとして、声優スクールというものがあります。こちらも全日制の場合が多く、声優の世界について何も予備知識がない状態で入学しても、基礎から学べるようです。
では、専門学校との違いは何かというと、学校法人として国からの認可を受けているかどうかという点です。専門学校が学校法人の認可を受けているのに対して、声優スクールは認可を受けていません。しかしながら、認可を受けていないからこそのメリットがあります。
通常、学校法人の認可を受けていると、決められたカリキュラムがありそれらをすべて授業中に行わなければならないという制約があります。それに対して声優スクールではそういった制約がなく、学校独自のカリキュラムを組むことができるのです。そのため、現在の声優に必要とされている知識や技術を、臨機応変に学べるというメリットがあると言えます。また、声優のなかでもひとつの分野に特化して授業を受けられるなど、より実践的なスキルを身につけられる設備や環境が整えられているのが声優スクールです。

専門学校やスクールが、若い世代を対象としているのに対して、養成所は年齢を問わず誰でも気軽に入所できるという特徴があります。
声優の養成所は、声優事務所や芸能プロダクションが独自に運営しているところが多いです。専門学校やスクールが全日制なのに対して、養成所は入所することで、週に1回から2回程度、声優になるために必要なレッスンを受けることができます。つまり、拘束時間が短いため、社会人として働きながらでも通うことができるというメリットがあります。また入所やレッスンに掛かる費用も、全日制と比較してもかなり抑えることができます。
そして養成所に入所するもうひとつのメリットが、声優としての実力を認められれば、そのままデビューをすることができるという点です。運営母体が声優事務所の場合、養成所を経てそのままその事務所の所属声優になることも夢ではありません。また現場に沿った実践的なスキルを教えてもらえるため、短期間のレッスンであっても実力をつけやすい点が養成所の魅力です。

声優を目指している方が知りたい学校の種類について紹介をしてきましたが、このうちのどれが1番声優になりやすいといった正解はありません。また、今回紹介した学校以外でも、演技そのものについて学びたいと考えているのなら、一般大学の演劇科を目指すというのも方法のひとつです。つまり大切なのは、自分のライフスタイルやなりたい声優像に合った学校を選ぶことです。
例えば、高校を卒業したばかりで仲間と一緒に声優を目指したいという方であれば、専門学校やスクールが合っているでしょうし、反対に社会人になってから声優にチャレンジしようと決めた場合には、養成所が入りやすいでしょう。ほかにも、自分が憧れている声優さんと同じ専門学校や養成所を選びたいと考えている方もいるかと思います。
どのような形態の学校を選んだとしても、重要なのはそこで何を学んでいくかということです。常に何かを学び取る姿勢を忘れずに、慎重に自分の将来を考えていきましょう。